着物の豆知識

帯の歴史

変化の少なかった帯

着物にはなくてはならない帯ですが、着物に比べると江戸時代になるまでは、さほど大きな変化は無かったようです。豪華な着物が流行りだした安土桃山時代でさえ、帯はまだ細長いものを前で結ぶだけでした。 江戸時代に入っても現在の腰紐をちょっと太くしたようなものを、前後左右好きなところに結んで垂らしていました。江戸時代中期になって、歌舞伎の流行により女形が女性らしさを強調するために幅の広い帯を背中で締めるスタイルを考えました。その優雅な姿があっという間に町の女性に広がり、柄や結びのバリエーションが考案されて現在の帯の原型が出来あがります。

西陣織の確立

織り技術の最高峰、西陣織が盛んになるのもこの頃からです。もともと京都には、朝廷に納める織物をつくる職人がいて鎌倉時代に現在「西陣」と呼ぶ地域へ移り住んでいました。ここで伝統を生かしながら時々の新しい感覚を盛り込み、重厚で高い技術を評価されて西陣織の地位が固まったのです。現在でも西陣は日本一の帯産地として、全国の帯の約80%を生産しています。